案外役にたつジブロック

ぼんやりと海を眺めたり、昨日とはうって変わった快晴の青空を眺めたりしていたら、妻が戻ってきた。開口一番に「コーヒー、もう一杯呑みますか」と聞いてきたのです。

独り旅をしている時は、どうも流暢にお湯を沸かしてコーヒーを淹れるというのが面倒でしょうがなく、最初の頃はインスタントコーヒーを旅先で買い求めて朝一番にお湯を沸かしてポットに入れて賄っていたのですが、しだいにそれすら面倒になり、無糖のアイスコーヒーのペットボトルを買い求めて、それをチビリチビリと呑みながら旅していたのです。
朝食にしてもわざわざイスとテーブルを出して、調理器具をだして調理するなんてのも、かなり面倒に思われ、ありあわせのものがクーラボックスに入っていれば食べるけれども、何もなかったら、そのまま走り続けてコンビニかスーパーでもあったらそこが朝食の時間だし、ファミレスなどがあったら尚ベターなのでありました。
その点妻が同行すると車中泊による貧乏旅であってもぐっとリッチになるわけであります。さすがにコーヒーメーカーを持ち歩くのは邪魔になるのでやめてはいますが、コーヒー豆がパックに分かれているのを使用して、一杯、一杯作ってくれるので旨いです。
スバヤク、コーヒーのおかわりを作ってくれると朝ごはんの準備を始めました。本日の予定は男鹿半島をのんびりと一周するだけの予定でありますから別に急ぐ必要もありません。今夏の旅は男鹿半島を最終地にして、このまま自宅に戻ってもいいわけであります。

いつの頃からか妻はジブロックというチャックのついているビニール袋を持ってくるようになりました。タッパーの重要性は私も以前から理解しており、常に持ち歩くようにはなっていたのですが。ジブロックとはね。

道の駅などには産直野菜を売っているところが多いのですが、大抵の場合安くて新鮮で信じられないほど安かったりするわけでありますが、近所にあればなんぼ助かるかという話でありますけれども、旅先では安いからといってそのまま購入するわけにもいきません。
そんな時にジブロックを利用して一夜漬けや浅漬を作ってクーラボックスの中に放り込んでおくわけであります。そうすれば旅している間にちょうど食べごろになるわけであります。
それが毎食、サラダ代わりに食卓に並ぶことになるわけであります。私などは晩酌の時に漬物がないと我慢ならないものですから、これは大助かりなわけであります。

さっきまで一羽だけだったトンビがいつのまにか二羽になり、相変わらず無音でよりそうように円弧を描いていました

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