感動や感激は伝染るもんなんですね

国道7号線で新潟市内を駆け抜け雄大にゆっくり流れる阿賀野川を渡ってほどなくして左折して7号線と並行するような感じで走る国道に入ってからは左側の窓には常にと云ってよいほど日本海を眺めることができます。
その頃から妻の様子が違ってきたように感じます。「見てみて!海だよ海・・・」まるで初めて海を見たようにはしゃぎ始めたのです。「うるさいなぁ、さっきから見ているよ」
思い起こしてみたら、去年だって長野から糸魚川を抜けて北陸の日本海を右にみながら島根まで走り抜けたのです。もっとも福井までは以前にも足を延ばしたことがあったので、そこまでは高速道路を使い、そこからが国道8号線で走り抜けたので、これほど近くに海の近くを走ったわけではありませんでしたけれども。
隣で「いいねぇ、いいねぇ、素晴らしいね」を連発されますと、本当のところそれほど感動していたわけではないのに、なんとなく自分にもそのワクワク感が移ってきたように感じます。感動や感激というものは連鎖するものなのだということを実感したわけであります。
それからどんどんと北上していき、笹川流れに近づいて行きますと、妻はますます逆上的に興奮していくのでありました。

かなり前の話になりますが、徳間書店で地図を出版するという話があり、その調査をウスラボケのけー坊と一緒にアルバイトでやったことがあります。その時の調査範囲は宮城・山形・新潟だったように記憶しています。
その時に笹川流れに差し掛かり、ウスラボケのけー坊が云うには「ユキオあんちゃんはこの笹川流れが好きでわざわざここを目指してくるんだよ」と云ったのです。「へえーこんな所にわざわざくるんだ」「うん、アニキも結構変わっているからね」などという会話を交わした覚えがあります。
その後も2度か3度この場所を通った覚えがあるのですが、その時も仕事がらみであったり、自宅を目指してのついでであったりしたので心の底から風景を楽しむという雰囲気では無かったのであります。
今回は思いの外妻が感激してくれましたので、自分でもその気になって景色を楽しんでみるとその良さがじわじわと理解できるのでありました。

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